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すまいのブログ 暮らし方は変わるよキッチン編|長崎の不動産&住宅 株式会社SEIBU

長崎市三川町で不動産売買と住宅建築業を営む(株)SEIBUです。2025年もどうぞよろしくお願い致します。本年も長崎の注文住宅新築一戸建て・リフォーム・リノベーションをご検討の皆様へ、家づくりや毎日の暮らしの中で感じていることをつぶやいてまいります。

今年も毎日「スッキリ暮らしたい、でも出し入れの手間は減らしたい」という2つの想いに悩むであろうSEIBUスタッフです。今回のブログでは、「暮らし方はどんどん変わるよキッチン編」というテーマでつぶやきます。まるっとSEIBUスタッフの私事なので大変恐縮ですが、よろしければお付き合いください。

遠い昔、「狭い・古い・気温」に悩んだ台所のある部屋で結婚生活を始めました。築30年以上経っているRCアパートの台所は本当に狭く、小さなシングルシンクに無理やり食器乾燥機(もちろん食器洗浄機ではありません!)を置くものですから、シンクはさらに狭くなり、まな板を置くとザルやボールは置けません。給湯配管がなされていない台所でしたので瞬間湯沸し器でお湯を出し、安い2口ガスコンロをホームセンターで購入してきたのを覚えています。そして、エアコンの冷風が届かない夏の調理は暑くてまるで修行。

ここに住むのか・・・とがっくりしたものです。いつの時代ですか?と問われそうですが、平成ですよ。

賃貸でしたので、自分の思うようにDIYすることも憚られました。転居が多い環境だったこともあり大物家具を増やすことを家族に止められていたので、すぐ撤収できるどうでもいい収納グッズで目先をごまかす生活が続き、あっという間に台所が嫌いになりました。

ただ、周囲を見ますと同じ様な環境に暮らしていても、料理が得意でしっかり作りながらも、すっきり片付いた生活をされておられる方もちゃんといらっしゃるのです。

それまでそれなりに仕事をしていた若い私は、家庭を持って初めて自分が調理をする立場になったことで「自分は調理と後片付けが嫌いなんだ」ということを自覚したのです。今振り返ると幼稚な考えのまま結婚したんだと恥ずかしい限りです(笑)

食べることは大好きでも、調理は好きではないということ。そして調理より後片付けの方が断然嫌いだということ。どうせ生活を続けるなら、自分に適した対策は何なのか考えついて、自分の機嫌は自分でとったほうが気分がいいじゃないかと思ったのです。

その後2か所に転居しましたが、どこも似たり寄ったりの台所でした。2~3年間隔で引っ越しをするので、暮らしの全てをリセットし一から暮らしを組み立てるを強制的に行います。負担は大きかったのですが、転居を繰り返すことで自分にとって必要な備品・収納方法・配置が徐々に分かるようになってきました。

例えば
「水切り籠は必要派」
(↑手持ちの鍋が少なかったので、調理中に鍋を洗う回数が多かった)

「食器乾燥機は要らない、だけど洗浄機は絶対必要派」
(↑食器乾燥機の電気代がもったいなく感じた)

「布巾で食器を拭かない完全自然乾燥派」
(↑自分の布巾の衛生管理を信用できなかった)

「収納グッズは100均より無●良品派」
(↑モデルチェンジが少ないので転居しても手に入りやすい)

「調味料は全部冷蔵・冷凍保管する派」
(↑常温で小麦粉を保存してえらい目に合った)

「コンロ周りに物を置かない派」
(↑油跳ねで汚れて、二度手間)

などです。

嬉しかったのは、瞬間湯沸し器がなくてもお湯が出る暮らしになった時です。給湯水栓があれば賃貸でも据え置き型の食器洗浄機が取り付けられたのです。「どんなに狭くなってもこれだけは置かせてほしい」と家族に頼み込み、めでたく設置。この頃は食器洗浄機なんてぐうたら主婦の贅沢品だと陰口をたたかれてもおかしくない頃のことでした。

このことが、自己分析して苦手に優先順位をつけ、適した対策を講じた最初の一歩です。


その後また転居。そして、そろそろ次の転居が見えてきたそんな頃、マイホームを建てることとなりました。

その時の私は、今までの「狭い・古い・気温」の台所がマシになると、とても嬉しかったのを思い出します。ただ、諸事情があり、システムキッチンの細かいスペックを指定するのは遠慮しなくてはならず、基本的な配置だけを決めさせてもらいました。それがこちらです。

当時は広くて素敵なキッチンスペースが欲しかったのです。

対面キッチン・壁付キッチンのどちらにするかでとても迷いました。対面キッチンはシンクに立った時、リビングが見渡せるようになり視界が開けるし、テレビを見ながら台所仕事ができるのではないか?という大きな魅力がありました。なにより、対面キッチンは新築のスタンダード、壁付けキッチンは昔っぽくてダサいんじゃないかという感覚でした。

結局、壁付キッチンを選びました。ですが、これもしばらく後悔の尾を引きました。マイホームをせっかく建てたのに対面キッチンじゃないなんてダサいな~と思い込んでいたのです。自分で選んだのになんて優柔不断なんでしょう(苦笑)

この間取りだと、対面キッチンよりも壁付キッチンの方が大きなシステムキッチン(既製サイズ)を入れられるという理由が、私の中でとても大切なポイントでした。

そして、図面には書いてありませんが、システムキッチンの後ろにスペースをとっておいて、幅1500mm奥行600mmの作業カウンターを大工さんに作ってもらったのです。カウンタートップに石を貼ってもらい、カウンターの下にはオーブンレンジや炊飯器を引き出せるようにしてもらい、ゴミ箱を置けるスぺースもありました。

ですが、ここにも暗雲が・・・。

暮らし始めると、このカウンターが使いにくくなり始めたのです。机上の導線予想が、実際には絶妙にずれているのです。そのうちカウンター上はちょい置きの場所になり、どんどん散らかりやすい台所になりました。広ければ良い大きければ良いという考えは、今までの「狭い台所の呪い」にかかっていたのだと思いました。

自分が決めたプランが失敗だったことをなかなか認められず、家族に対してもバツが悪くて、不満を口に出せずに数年経ちました。使いにくいと感じる大きな作業カウンターは、インテリア的には見栄えがするものでしたし、予算もそこそこかかっていたからです。

結局、この大きな作業カウンターは撤去しました。

いろいろ考えましたが、私にとって台所は「作業だけをする場所」にして、見栄えを重視する場所にはしないという結論をだしました。お金をかければ人にお見せできるような素敵なキッチンにリフォームできるかもしれません。ですが、そんな余裕もありませんし、もうこの頃には素敵なキッチンが欲しいという要望が自分の中にありませんでした。

新築時と考え方が変わったのだなと実感しました。家族も笑って受け入れてくれたのがありがたかったです。

今は、このような台所で日々格闘しています(笑)インテリア性は微塵もありませんが、「樹脂製の備品はできる限り少なくする」「家電と備品と鍋は黒かシルバーにする」ということにゆるーく気を配っています。折り戸の木目が気になるので、白いマスキングテープを貼っている途中です。


暮らすうちに、家族が私が絶対にやらない、「趣味のお菓子作り」をするようになりました。このことも新築時点では全く考慮していませんでした。ここにきてやっと、大きさを優先した壁付けキッチンで良かったと思えました。納得するまで何年もかかりました。

この配置で3人同時に台所で作業できています。回遊ができる、備品は少なく、見せる収納で誰でも自主的に台所を使える、埃が溜まりにくい、を目標に模様替えしました。作業用カウンターを狭く小さくしたこともGOOD。我が家はこれぐらいが管理しやすいです。

マイホームを検討されておられる皆様にとって、キッチンは一番期待する場所と言っても言い過ぎではないですよね。お話ししましたように私自身もキッチンには期待が大きかったので、マイホームを完璧な状態でゲットしたいお気持ち、とても良くわかります。

同じ家で長い時間暮らしたら、考え方や暮らし方が変わることはあり得ます。もし、理想のプランがばっちり決まっていないのであれば、シンプルなプランだとフレキシブルに対応できそうですね。

キッチンにはたくさんの正解があります。まず、インスタグラムなどの写真サイトで素敵なキッチンを眺め、動画サイトで自分の使い方と似ている人を探しつつ、自分と家族の優先順位は何だろうと考えるのはいかがでしょうか。
苦手なことには予算を掛ける価値があります。新築マイホームをご検討される際には、どうぞご家族みなさんでお話しされてみてくださいね。